Procurement Execution & Insight Lab.

支出コントロールに、変革を。

インフレ、2026年施行「取適法」、形骸化するガバナンス、そして人手の不足。企業が責任を持って管理すべき対外支出を取り巻く環境は、この数年で大きく変わりました。PEILは、現場に基づきPLに貢献する「実行」で、支出コントロールを経営の力に変える調達購買のプロフェッショナルファームです。

Inflation
原材料・労務費・エネルギーの上昇が、利益を直接圧迫
Regulation
2026年1月「取適法」施行。価格協議は義務、違反は公表
Governance
承認フローの形骸化と不正支出。誰も全体を見ていない
Resource
人手は足りず、ノウハウは属人化。改革に割く余力がない

The Procurement Lever

0%
調達コストの改善
=
0%
営業利益の増加
調達コスト 1%
営業利益 11%

中堅製造業のモデル例(売上100・外部支出55・営業利益率5%)。営業が売上を1割伸ばすのと、調達が1%賢く買うのは、利益ではほぼ同じです。

安く買えても、正しく買えなければ、会社は傷つきます

対外支出の管理は、単なるコスト削減の話ではなくなっています。企業競争力に直結することは言うまでもなく、いまはコンプライアンスとガバナンスまでが、調達・購買の仕事についてまわります。

01
「安く買い叩く」は、法令リスクになった
2026年1月施行の取適法(中小受託取引適正化法)で、協議なき一方的な代金決定は明文の違反類型に。違反は公正取引委員会の勧告に加えて内容が公表され、企業の信用に直結します。
02
値上げ要請に、根拠で返せない
インフレ下では値上げ要請が日常になります。コスト構造の妥当性を査定できなければ、言い値を受け入れるか、根拠なく突き返すか——どちらも利益とコンプライアンスを損ないます。
03
支出の全体が、誰にも見えていない
発注は各部署・各担当に分散し、承認フローは形骸化。誰が・何に・いくら使っているかが分からないままでは、不正支出のリスクも、改善の余地も、特定できません。
04
向き合う人手と、ノウハウがない
現場は発注処理と納期対応で手一杯。業務は属人化し、改革のやり方を知る人が社内にいない。「やるべき」と分かっていても、着手できない構造があります。

わかっている。でも、できていない——
それが現実です。

経営者と現場の本音

私たちが経営者・調達責任者の方からうかがうのは、いつも同じ声です。

コスト削減も相見積も、やるべきなのは分かっている。ただ、日々の業務でそこまで手が回らない。
予算策定のときだけ削減が盛り上がる。でも続かない。実態も結局つかめていない。
改革したい気持ちはある。ただ正直、社内に「やり方」を知っている人がいない。
これは能力の問題ではなく、時間と仕組み(型)の問題です。そして放置のコストは、想像以上に大きい。
PEILの考え方を見る

一旦、プロに任せる。
一緒に自走できるようにして、最後はお戻しする。

PEILは、現場に基づき、PLに貢献する「実行」を支援する調達購買のプロフェッショナルファームです。外部に任せきりの改革ではなく、御社が自分で回せる状態をゴールにします。

まず、任せる — 実行して成果を出す
支出の可視化から交渉・取引先の再選定まで、手を動かすところまでPEILが担います。入口は成功報酬型——削減額が確定してから、その一部をいただく契約です。成果が出なければ、成功報酬は発生しません。
一緒に、自走できる仕組みをつくる
成果を出しながら、その裏で「型」を残します。業務の標準化、支出データの整備、購買審議などのガバナンスの仕組み化。属人的な職人芸を、誰がやっても標準点が出る仕組みに変えます。
最後は、お戻しする
仕組みが定着し、御社のチームが自分で回せるようになったら、私たちの仕事は完了です。ずっと居続けることを前提にしない——それが、実行支援ファームとしてのPEILの立ち位置です。

自走化には、順番がある

「一緒に自走化する」の中身は、3つの要素です。上流に関与したくても、日々の後始末に追われていては時間が生まれません。だから、この順番で進めます。

STEP 1
業務を標準化・効率化し、まず時間を生む
STEP 2
情報
支出とコスト構造を可視化し、発言の根拠を整える
STEP 3
関与
上流に入る段階と役割をルール化し、経営と合意する
多くの組織は「関与」から始めて、挫折します。時間も根拠もないまま上流に出ても、開発や経営を動かす発言ができないためです。順番は原則、入口は組織の実情に合わせて——PEILは現在地の診断から、進む順番を設計します。

私たちが、やらないこと

やらないことを決めているから、早く、無駄なく、アクションまで落とし込めます。

PEILがやらないこと
  • 分厚い報告書の作成——読むための資料に、御社の費用と時間を使いません
  • 外部有識者へのインタビュー——一般論ではなく、御社の現場から答えを出します
  • 提案して終わる支援——絵を描くだけなら、現場は変わりません
  • 稼働量だけで測る体制——工数の大小ではなく、成果に軸足を置いた契約を基本とします
PEILがやること
  • 現場に基づく実行——データを整え、交渉し、契約を切り替えるところまで
  • PLへの貢献——削減「額」の報告ではなく、営業利益に届く成果
  • 早いアクション——診断から実行まで、最短距離で落とし込む
  • 自走化までの伴走——仕組みを残し、最後は御社にお戻しする

調達は、経営である

表番長の営業が売上をつくり、裏番長の調達が利益をつくる。供給・原価・取引先という経営の根幹情報を最も持つのは、調達部門です。PEILは、調達を「経営機能」として再設計します。

前始末で、仕事をする
問題が起きてから追いかける「後始末」ではなく、起きる前に仕込む「前始末」へ。良い組織と悪い組織を分けるのは、規模でも人数でもなく、前始末ができる「型」があるかどうかです。
実行で、価値を出す
戦略は、実行されて初めて利益になります。私たちは提案で終わらず、データ整備・交渉・契約切替まで手を動かし、PLに届く成果にこだわります。
原資で、未来をつくる
コストを下げること自体が目的ではありません。生み出した原資を人材採用・設備投資・新規事業に再配分し、クライアントがより強くなる循環をつくります。
サービス・料金を見る

入口商品から、変革の本丸まで

御社の課題・フェーズ・体制に合わせて、最適なサービスの組み合わせをご提案します。単体でも、複数の組み合わせでもご利用いただけます。

▼ 変革の本丸
直接材支出が多い企業に
直接材 調達変革パッケージ
1年で組織を変える。ビジョン・KPI・組織設計から実行・自走化まで一気通貫で支援します。
間接材支出が多い企業に
間接材 購買プロセス構築
ガバナンスを構築する。承認フロー・購買審議委員会・統制の基盤を整備し、仕組み化します。
全ての企業に
調達DX・AI活用支援
AI・データ活用で調達業務を高度化・効率化。業務の標準化を土台に、AIに渡せる仕事から自動化します。
原資を生み出し、本格的な調達変革へ
▼ まずはここから
原資がない
企業に
初期投資ゼロ・リスクなしで始められる入口商品
間接材 成功報酬型コスト削減
報酬は削減実績ベース。PEILの「お家芸」で原資を生み出し、本格支援への足がかりに。変革の本丸から始めていただくことも可能です。

課題とフェーズに合わせた、3つの料金モデル

課題とフェーズに合わせて、最適な料金モデルをご提案します。

入口はここから
成功報酬型コスト削減
報酬は、年間削減額の 50%
削減が確定してからのお支払い(着手金 数万円〜)
  • 削減できなければ、成功報酬は発生しません
  • 成果と報酬が完全に連動する契約です
  • 可視化→交渉→切替まで一気通貫で代行
顧問契約
月額 5万円〜
継続的な変革支援
  • 経営層への戦略助言・調達部門への伴走
  • 月次〜週次のセッションで継続支援
  • ガバナンス強化・人材育成もカバー
調達変革パッケージ
個別お見積もり
年間契約|1年で組織を変える
  • ビジョン・KPI・組織設計から実行・自走化まで
  • 現場と協業し、12ヶ月で仕組みを定着
  • 人月単価ではない、成果ベースの体系
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「買う側」の実務、16年

代表は事業会社で調達・購買の実務を16年。現場と経営の両側から調達を経験し、大企業の調達手法を中堅・中小企業の実情に合わせて実装します。創業以来、製造業を中心に支援しています。

菅野 勇輝
株式会社PEIL 代表取締役
2,000億円/年
直接材調達を担当(担当コモディティ アジア8か国 調達責任者)
5兆円/年
グローバル購買のコストコントロール
1,000件/年
間接材購買審議によるコスト削減とガバナンス推進
  • 2009 – 2022|グローバル自動車OEM金型・部品の調達に始まり、事業企画、アライアンス購買を経て、アジア8か国の調達責任者を歴任。最後は経理部門を兼務し、グローバル購買のコストコントロールを担当。調達を現場と経営の両側から経験。
  • 2023 – 2024|グローバルアパレル製造小売業グローバル間接材購買のマネジメントに従事。購買取引審議委員会メンバーとして年間1,000件以上の審議に携わり、コスト削減とガバナンスの両立を実務で推進。
  • 2024|調達購買SaaS企業調達購買コンサルティング事業の新規立ち上げを担当。
  • 2025 –|株式会社PEIL創業・代表取締役就任。製造業を中心に、調達組織の変革からコスト削減までを一気通貫で支援。
交渉・査定・審議という「買う側」の実務が、PEILの資本です。だから、提案にとどまらず実行で価値を出せます。

会社概要

社名株式会社PEIL(ペイル)|Procurement Execution & Insight Lab.
代表者代表取締役 菅野 勇輝
設立2025年2月3日
所在地〒108-0075 東京都港区港南2-16-1 品川イーストワンタワー4階
電話番号03-6890-4090(代表)
事業内容調達購買領域を軸にしたプロフェッショナルサービス(成功報酬型コスト削減の実行支援/直接材調達組織の変革と人材育成/間接材購買プロセスの構築とガバナンス強化/AI・データ活用による調達DX/削減原資の戦略的活用アドバイザリー)
取引金融機関横浜銀行|GMOあおぞら銀行
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支援実績

クライアント企業の許可を得た範囲で、匿名にて公開しています。進行中の支援は現時点までの到達内容を記載し、成果の確定にあわせて順次更新しています。

成功報酬型コスト削減 購買顧問
繊維製品製造卸小売業
売上約100億円 | 従業員650名規模
成功報酬型でコスト削減を実施。その後、リバウンド防止のため調達・購買顧問として継続支援しています。
削減実績 年間2,000万円
調達組織の立上げ・自走化
プラスチック製品メーカー
売上数百億円規模
初年度で調達組織の立上げ。2年目で組織運営の開始と課題の抽出。3年目で自走化完了の目処。
支援期間 3年計画で段階的に自走化
ガバナンス構築 DX・AI中期計画
電気機器メーカー
売上600億円規模
間接材購買プロセスの導入によるガバナンスの構築。DX化・AI化を含む購買部門の中期変革計画を策定。
調達改革構想策定
輸送用機器メーカー
売上600億円規模
調達部門の現状分析から調達改革構想の策定。
購買改革支援
自動車部品メーカー(大手)
売上数千億円規模
購買システムの刷新を起点とした購買改革支援。
コスト削減戦略策定
電気機器メーカー
売上数百億円規模
現状分析からのコスト削減戦略の策定。
原価差異の原因究明
産業機械メーカー
売上25億円規模
基幹システムと会計の分断が生む「見えない原価差異」の原因究明。
成功報酬型コスト削減
自動車整備業・金属部品メーカー 等 複数社
売上 数億〜数十億円規模
複数社で成功報酬型コスト削減を実施。

御社の課題に近い事例がありましたら、お気軽にご相談ください。

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記事

調達購買の最前線から、実務に役立つ知見をお届けします。

利益レバー 経営指標
2026.08.10

調達コスト1%は、営業利益11%に相当する ― ただし、正しく「数える仕組み」があれば。

調達は最大級の利益レバー。ただし削減額がそのままPLに届くほど単純ではない。試算の中身と、効果を確実に届けるための考え方を整理します。

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法令対応 取適法
2026.07.10

「買い叩き」は、今年から法令リスクになった ― 取適法が変える、調達の常識

2026年1月施行の取適法(中小受託取引適正化法)により、一方的な代金決定は明文の違反に。調達部門発の経営リスクと、自社の点検ポイントを整理します。

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調達経営論 裏番長
2026.06.10

調達は、経営の「裏番長」である ― 表番長の営業が売上をつくり、裏番長の調達が利益をつくる

売上の半分以上を占める外部支出。その使い方が経営アジェンダになっていない企業に、調達を経営機能として捉え直す視点をお伝えします。

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調達経営論 裏番長
2026.06.10

調達は、経営の「裏番長」である ― 表番長の営業が売上をつくり、裏番長の調達が利益をつくる

会社の中で、売上をつくる営業は分かりやすい主役です。では、利益は誰がつくっているのか。私たちの答えは、調達・購買です。売上の半分以上を外部支出が占める製造業なら、なおさらです。表で戦う営業が「表番長」なら、支出という土俵で利益を守り、つくり出す調達は「裏番長」。今回は、PEILがなぜ調達を経営機能として捉え直すのか、その考え方をお話しします。

CxOは揃った。では、支出は誰が見ているのか

日本企業でも、CFO・CTO・CHROといった専門領域ごとのCxO体制が定着してきました。財務、技術、人事 ― 経営の主要機能には、責任者と方法論と人材育成の道筋があります。

その中で、対外支出の最適化と事業推進を担う調達・購買だけが、いまだ再現性のある仕組み化や人材育成の面で、大きな空白を残しています。多くの会社で、調達は「発注係」の位置に留まり、経営会議の議題は削減額の報告だけ。売上の5〜7割を占める支出の使い方が、経営アジェンダになっていない ― これが実態です。

裏を返せば、ここは企業に残された、最後のフロンティアです。整備が遅れている領域ほど、手を入れたときの伸びしろは大きい。私たちが調達を専門領域に選んだ理由は、この一点にあります。

なぜ「裏番長」なのか ― 3つの理由

1. 供給リスクは、経営リスクだから

供給途絶も、属人化による停滞も、調達部門だけの問題ではなく経営のリスクそのものです。リスクを先読みし、供給網を設計・維持する ― 事業の継続性を裏側から支えるのは、調達の仕事です。

2. コスト構造は、戦略情報だから

原価と取引先の情報は、仕様の選択・投資判断・値上げ対応の武器になります。供給・原価・取引先という経営の根幹情報を最も持っているのは、実は調達部門です。この情報が削減額の報告にしか使われていないとしたら、宝の持ち腐れです。

3. 調達は、投資対象だから

調達コスト1%の改善は、営業利益11%に相当します(中堅製造業のモデル例)。利益への影響度で見れば、調達は人と仕組みに投資する価値のある、最大級の利益レバーです。CFOが財務の面から利益に責任を持つように、調達は支出の面から利益に責任を持てる ― 経営の両輪になり得る機能です。

もう一つの価値 ― 人が育つ場所であること

見落とされがちですが、調達・購買は人材育成の要衝でもあります。社内では設計・生産・経理・営業と、社外ではサプライヤーの経営者と、日々交渉し、調整する。原価を読み、市況を読み、相手の事情を読んで、落としどころを設計する。これは、事業を丸ごと見る訓練にほかなりません。

調達で鍛えられた人材は、事業企画や経営管理でも通用します ― 私自身、事業会社で調達から事業企画、経理を経験して、それを実感してきました。だからPEILの支援は、コスト削減の代行では終わらせません。仕組みと一緒に、それを回せる人が育つことまでを設計に含めます。

私たちが目指す状態

私たちは調達・購買のプロフェッショナルとして、経験とノウハウを最大限に活かし、クライアントと共に思考し、計画し、実行します。現場・現実に根ざした結果検証と深い洞察を通じて、組織の自立的な成長を支援します。

最終的に実現するのは、経営指標と直結し、企業価値を高める調達・購買体制が、クライアントの内部で自立的に機能している状態です。私たちがいなくても回る ― そこまで整えて、お戻しします。

そしてその先に、供給・原価・取引先の情報を武器に、経営陣に新たな戦略的視点をもたらす調達の姿を目指します。裏番長が経営の一角に座ったとき、会社の利益のつくり方は変わります。

調達の変革を、経営の変革へ。

御社の調達は、いま「発注係」でしょうか、それとも「裏番長」でしょうか。現在地を知るところから、一緒に始めましょう。

御社の調達の「現在地」を知るところから。

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法令対応 取適法
2026.07.10

「買い叩き」は、今年から法令リスクになった ― 2026年1月施行「取適法」が変える、調達の常識

「安く買い叩くだけの調達」は、今年から成立しなくなりました。2026年1月1日に施行された取適法(中小受託取引適正化法)により、一方的な代金決定は明文の違反となり、違反は公正取引委員会の勧告に加えて内容が公表されます。企業の信用に直結する、調達部門発の経営リスクです。

この記事では、取適法の何が変わったのか、そして自社のどこを点検すべきかを整理します。

取適法とは何か ― 下請法から変わった3つのポイント

取適法は、下請法(下請代金支払遅延等防止法)を改正した法律です。名前の変更以上に、実務への影響が大きい変更が3つあります。

1. 「協議なき一方的な代金決定」が、明文の違反類型に

これまでグレーだった「価格協議の求めに応じない」「説明しないまま価格を決める」という運用が、明確に違反となりました。サプライヤーからの値上げ協議を過度な資料要求で門前払いするような運用は、行政の指針でも名指しで問題視されています。

2. 違反は勧告に加えて「公表」される

違反時のペナルティは、是正指導で済む話ではありません。公正取引委員会の勧告に加えて内容が公表され、取引先・金融機関・採用市場からの信用に直結します。「請求されていないから問題ない」は通用せず、申告がなくても書面調査・立入で発覚します。

3. 資本金による「抜け穴」が塞がれ、対象企業が拡大

従来は資本金基準で適用を外れていた取引にも、従業員数基準の追加により網がかかるようになりました。「うちは対象外」と整理していた企業ほど、再点検が必要です。

現場で起きがちな「該当し得る」事象

私たちが製造業の現状分析で実際に目にする商慣行のうち、取適法上のリスクとなり得る典型例を挙げます。

  • 価格未決め発注(¥0発注) ― 見積の有効期限が切れたまま、価格を決めずに発注する運用。書面には代金額の記載が義務であり、後決めは「買いたたき」の温床とされます
  • 月末一括の注文書・請求書 ― 書面は発注の都度「直ちに」交付が原則。月末一括は、書面のない発注が常態化していることを意味します
  • 補償なしの発注変更・キャンセル ― 生産計画の直前変更で受託側に段取り替え等の負担が生じても、費用を委託側が負担しない状態
  • 発注書面と実態の不一致 ― 発注単位と書面単位が合わず、受領日が確定できないため「受領後60日以内の支払」の管理が構造的に崩れているケース
これらは悪意の産物ではなく、多くの場合、人手不足と業務過多の中で長年積み上がった運用です。だからこそ、担当者の注意喚起では直らず、仕組みの見直しが必要になります。
※個別事案の最終判断は、法務・弁護士の確認が前提です。

「対応」を、変革の入口にする

取適法対応は、守りのコンプライアンス対応として捉えられがちです。しかし実務的には、これは調達部門を変えるまたとない機会です。

理由はシンプルで、取適法が求める状態 ― 発注の都度書面を交付し、価格を協議し、記録を残す ― は、そのまま「管理された調達」の姿だからです。書面と実態を一致させるには発注プロセスの標準化が要り、価格協議に応じるにはコスト構造を査定できる情報基盤が要ります。つまり、法令対応の名目で、調達の「型」と「情報」を整える予算と社内合意が取りやすい、ということです。

私たちはこれを、後始末に追われる調達から、前始末で仕込む調達への転換の第一歩と位置づけています。

まずは、自社の現在地から

取適法のリスクは、業種や規模ではなく「運用の型」で決まります。自社がどこまで該当し得るかは、支出と発注運用の実態を見なければ分かりません。

PEILの3分セルフ診断では、12の質問に答えるだけで、取適法のリスク判定・削減ポテンシャルの概算・御社の調達タイプ(前始末型/後始末型)をその場で確認できます。登録不要・匿名のまま、結果までご覧いただけます。

御社の調達は「前始末型」ですか? それとも「後始末型」ですか?

← 記事一覧に戻る
利益レバー 経営指標
2026.08.10

調達コスト1%は、営業利益11%に相当する ― ただし、正しく「数える仕組み」があれば。

営業が売上を1割伸ばすのと、調達が1%賢く買うのは、利益ではほぼ同じです。中堅製造業のモデルで試算すると、調達コスト1%の改善は営業利益11%の増加に相当します。調達は「発注係」ではなく、最大級の利益レバーです。ただし、この数字には正直な注釈が要ります。

試算の中身 ― なぜ1%が11%になるのか

売上100・外部支出(材料費・外注費)55・営業利益5という中堅製造業のモデルで考えます。外部支出を1%削減すると、55×1%=0.55。他の条件が変わらなければ、営業利益は5から5.55へ、つまり11%増えます。

種を明かせば、これはテコの計算です。倍率は「外部支出比率÷営業利益率」で決まります。外部支出比率が高いほど、そして営業利益率が低いほど、コスト1%の重みは増します。

外部支出比率調達コスト▲1%の効果営業利益への影響
40%売上比 0.40+8%
55%(モデル例)売上比 0.55+11%
70%売上比 0.70+14%

※営業利益率5%の場合の目安。自社の外部支出比率(材料費・外注費・間接材の合計÷売上高)を当てはめれば、御社の倍率が概算できます。

営業利益率5%の会社が売上を1%伸ばしても、利益の増加は限定的です。一方、コストの1%は原則としてまるごと利益側に落ちる ― ここが「売上の1%」と「コストの1%」の決定的な違いです。

ただし、会計はそれほど単純ではない

「単価を1%下げたのに、PLが良くなった実感がない」。経理と調達の間でよく起きるすれ違いです。原因は主に5つあります。

1. 在庫を経由するため、効果の発現にタイムラグがある

直接材の単価削減は、購入した瞬間ではなく、その材料が製品として売れ、売上原価に計上された時点で初めて利益に反映されます。在庫の回転期間が3か月なら、単価改定の効果がPLに現れるのは約3か月後。標準原価計算を採用している会社では、原価差異の配賦処理を経るため、さらに見えにくくなります。

2. 科目によって、効き方が違う

同じ「外部支出」でも、直接材は製造原価として在庫を経由する一方、事務用品・IT・物流費などの間接材の多くは販管費として発生時に費用化されます。つまり間接材の削減は比較的すぐPLに届き、直接材は遅れて届く。効果を語るときは、この時間差を分けて示す必要があります。

3. 数量が動くと、単価の努力が見えなくなる

支出総額は「単価×数量」です。増産すれば、単価を下げても支出総額は増えます。逆に減産で支出が減っても、それはコスト削減ではありません。調達の貢献を正しく測るには、総額の増減ではなく、単価差×実績数量で効果を分解する必要があります。

4. インフレ下では、「何と比べるか」で答えが変わる

市況が上がっている局面では、値上げ幅を市況より小さく抑えること自体が大きな貢献です。しかし前年単価と比べれば、帳簿上はコスト増に見えます。前年比か、市況比か、予算比か ― 基準の置き方次第で、同じ活動が「削減」にも「コスト増」にもなります。

5. 削減分が、社外へ流れることがある

顧客との契約に価格スライド(材料費連動)の取り決めがあれば、材料費の削減分は販価の引き下げとして顧客に還元され、自社の利益には残りません。また、無理な値下げ要請で達成した「削減」は、品質・供給リスクや取適法上のリスクという別の費用に化けます。残る削減かどうかは、削減の中身で決まります。

だから、「貢献の数え方」を先に決める

ここまでの話は、「1%=11%は幻想だ」という結論ではありません。逆です。テコが実在するからこそ、削減をPLまで運びきる仕組みが要る、ということです。

実務でやるべきことは3つに集約されます。

  • 基準を経営と合意する ― 何と比べた削減か(基準単価・対象範囲・発現時期)を、活動を始める前に経理・経営と握る。ここが曖昧なまま走ると、成果報告が「怒られる場」になります
  • 単価×数量で効果を分解する ― 支出データを整備し、単価差の効果と数量・ミックスの影響を分けて示せる情報基盤を持つ
  • 即効の間接材と、構造の直接材を分けて設計する ― PLに早く届く間接材で原資をつくり、その原資で在庫を経由する直接材の構造改革(仕様・集約・サプライヤー戦略)に取り組む

調達コスト1%は、営業利益11%に「相当し得る」。それを「相当した」に変えるのは、交渉のうまさ以前に、数え方と仕組みの設計です。

御社の1%は、いくらか

自社の外部支出比率と営業利益率が分かれば、上の式で倍率は概算できます。より具体的に、削減ポテンシャルの金額まで知りたい方は、PEILの3分セルフ診断をご利用ください。

12の質問に答えるだけで、削減ポテンシャルの概算(年間の金額)・2026年施行「取適法」のリスク判定・御社の調達タイプ(前始末型/後始末型)を、その場で確認できます。登録不要・匿名のまま、結果までご覧いただけます。

御社の「1%」は、いくらですか?

試算はモデル例に基づく目安であり、個社の会計処理・契約条件により効果の発現は異なります。

まずは、御社の「現在地」から。

12の質問に答えるだけの3分セルフ診断で、削減ポテンシャルの概算・取適法のリスク・御社の調達タイプ(前始末型/後始末型)を、その場で判定します。匿名のまま、結果までご覧いただけます。

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